後味の悪い話

今日は、少しだけ後味の悪い話をしよう。

最近、忌まわしい記憶のせいで頭がぐるぐるしているので、いっそここに全て吐き出してしまいたい。

僕の幼馴染に、ある女の子がいた。 同じ町内に住み、幼稚園から中学まで同じところに通っていた。

ところが、その子の2つ上の兄──仮にYとする──このYから、僕は執拗にいじめを受けていた時期がある。 いじめの内容は、殴る蹴る、お弁当に異物を入れられる、等。

Yの機嫌が悪い日は、目が合うだけで襲いかかってくるので非常に厄介であった。 反撃しようにも、小学生の2学年違いといえば致命的な体格差があり、加えて向こうは武器まで所持している始末。 僕が敵う相手ではなかった。

Yの家は当時すでに複雑な家庭環境を抱えており、母親は居なかった。 祖母、父親、Y、妹(幼馴染)の4人家族で、父方の祖父は存命のようだったが絶縁関係にあったらしい。

だから、授業参観や運動会などのイベントがあると、Y家ではいつも祖母が参観していた。

Yだけは僕の天敵であったが、それ以外の家族とは多少の近所付き合いがあった。 一応、人となりも知っていたし、子供心にも決して悪い人達ではないと思っていた。

そんなある日、Y家の祖母が亡くなったという報せが届いた。

あまりにも突然の訃報に衝撃を受けた。 また、Yやその妹にとって、母親同然の存在だった祖母がいなくなったということについて、その日の夜は布団の中でいろいろと考えてしまった。

それ以来、Yとは会うこともなく、月日は流れていった。

僕はその後、地元を離れて一人暮らしをすることになる。

一方、Yの妹は諸事情で精神を病み、家出をしたきり所在不明になってしまった。

Y家には、父親とYの2人が残された。

そしてYの父親も、ある日を境にどんどん痩せていったらしい。 体調不良を訴え、病院で精密検査を受けたときには、もはや手の施しようがない状態の末期ガンだったという。

医師から告げられた余命は3ヶ月。

これにはさすがのYも相当堪えたらしい。 ある日突然、現実を受け入れる時間も与えられず、最後の肉親が死ぬことになった──。 まだ20代のYには十分に惨い運命だと思う。

僕も『ざまぁ見ろ』とはとても言えなかった。 けど、心からの同情もできなかった。

今、Y家には、Yが一人で暮らしている。

──Yはこれだけ酷い目に遭ったのだから、そろそろ赦してやれば? というもう一人の自分の声がときどき聞こえる。 それとこれとは別だ、という声も聞こえる。

なんだかんだで僕は、Yを赦すこともせず、仕返しもできず、胸の奥に閊えを残したまま生きている。

結局この記事も、何が書きたいのかよく分からない内容になった。